
- 最新の「やりたいことリスト」で書いた通り、昔見たり読んだりした映画や本で再度追体験したいものをリストアップしていってます。
- 車中泊旅行はもう少し暖かくなる季節までは控えますので、入浴後に床暖房の上に布団を敷いて、ぽかぽかと読書するという好きな時間の1つを味わっています。
- 前回リストアップした「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の記事を書きましたが、宮内勝典さんの「グリニッジの光りを離れて」を読み返しましたので記載します
目次
読み返した経緯
- 最初に読んだのは高校か大学生の頃です。ストーリーは全く忘れていましたが、登場人物として出てくる河原温さんのイメージは強烈に残っていました。
- 何が良かったのか思い出すために読みたかったのですが、重版未定で新しく購入できませんでした。離れた図書館で借りるか、古本を買うかしか入手経路が無かったので、古本を買いました。

一時は古本も出ていませんでした・・・
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読み返した感想
- あらすじは、著者自身と思える主人公の20代男性がニューヨークの安アパートを借りて、偽名を使いバーテンとして働きながら多くの人に出会いながら、自分のアイデンティティを探る話です。
- 実際、宮内勝典さんは1960年代後半から、1970年代初めニューヨークで暮らしていたようですので、当時のニューヨークのダウンタウンの風俗が描かれています。
- 今読むと主人公への思い入れはできなくなっていましたが、自分の高校や大学時代に感じた孤独感は蘇ってきました。当時は友人らに囲まれていたのに今から思うと不思議なものです。



退職した今の方が人付き合いは減っているので、もっと孤独感を感じても良さそうですが・・・
年を取るのと家庭を持つのとで慣れてくるのかもしれません。
- 河原温さんは河名温という名前で登場していました。作品としては「Todayシリーズ」「 I MET」「 I AM STILL ALIVE」「 One Million Years」などが出てきます。
- 当時も今もコンセプチュアルアートは得意では無いですが、「Todayシリーズ」の挿絵と毎日その日の日付をpaintingするという作業に“特に表現したいものも無いけど、描くのは好きで続けたい”という静かな意思を当時感じましたし、今も同じような解釈で違和感無かったです。
- 「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の記事でも書きましたが、“役に立たないものや無為なもの”に惹かれるところは当時も今も変わってないようです(もちろん何でも良いのではなく好みはあります)。



単純作業に没頭するのも自分の好きなことだと苦になりません!
- 当時はWEBでどんな作品か見ることもできず、「Todayシリーズ」は本の挿絵から想像するだけでした。後日実際の作品を美術館で目にした際、本当に日付を書いているだけで、これが実際の作品なのかとまじまじと眺めたのを思い出します。



この本を読んでなければ通り過ぎたと思います・・・
影響を受けたこと
- 読み返してみて主人公への思い入れはできませんでしたが、当時の初めての海外旅行の行先に影響を与えたものの1つだったのだなと思い返しました。
- 学生時代に初めて行った海外旅行先はニューヨーク(NY)で、本の時代とは異なりますが、一度雰囲気を直接味わってみたいと感じて決めました。
- 当時はまだ直行便は無く、バンクーバー経由でNYに入り、フィラデルフィアとナイアガラの滝を見てNYから帰国するという旅程でした。
- NYでは当時のヘクシャーシアターでミュージカルの「Mama, I Want to Sing! 」を見ること、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、メトロポリタン美術館(MET)、グッゲンハイム美術館を巡ることを大目的にしていました。



観光スポットやブロードウェイミュージカル、動物園、ライブハウスにも行きました。
- 「Mama, I Want to Sing! 」は観客の盛り上がりがすごくてライブ会場にいるようでした。もう一度あの雰囲気で見れるのなら、見てみたいです。
- 現在はヘクシャーシアターではやってないようです。 Mama Foundation of the Artsの公式サイトでスケジュールは確認できるようです。


- 美術館巡りでは、日本の美術展と違って、額にガラスが無く直接キャンバスが見れるので満足度が高かったです。



「Todayシリーズ」もMoMAかMETで初めて見たと思います!
- フィラデルフィアではフィラデルフィア美術館に行くことが目的でした。赤瀬川原平さんの「芸術原論」を読んで、マルセル・デュシャンの作品を直接見たかったからです。
- 「芸術原論」の中でデュシャンの”大ガラス“は謎の大作として”在来の美”の章の中で触れられてます。”(1)落下する水、(2)照明用ガス、が与えられたとせよ“はトマソンと千利休の関連として”デュシャンからトマソンへ”の章の中で触れられてます。



トマソンも”役に立たないもの”ですね
- デュシャンの「大ガラス」は展示スペースの雰囲気も良かったのでもう一度見てみたい気がします。


まとめ
- 50代後半になって読み返してみましたが、主人公への思い入れはできなくなっていました。記憶に残っていた登場人物河原温さんへ感想は今でも変わっていませんでした。「やりたいことリスト」で懸念したした当時の自分の否定や感情の老化は感じませんでした。



孤独感の鈍化は成長ではなく慣れかな?
- 本の内容とは直接関係はありませんでしたが、NY旅行を思い出すことで、「Mama, I Want to Sing! 」とデュシャンの「大ガラス」は再体験したいと感じました。
- うまく「Mama, I Want to Sing! 」のスケジュールのタイミングを図れば、1度の海外旅行でできそうに思います。



「やりたいことリスト」の”やってもよいこと”に次の改訂で付け加えたいと思います!
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