
退職前後は手続きが多く、何から着手したら良いのか不安になったり、迷ったりすることが多いです。
本記事では退職前と退職後の手続きを時系列で実体験に即してまとめました。ある程度長いスパンで考えた方が良い内容についてもまとめています。
本記事の内容は実体験に即していますので、50代後半で子供の学費がかかる状態での会社員の退職、退職後は再就職せず、資産運用で年金受給まで生活するという方に特に参考になる内容です。現在退職生活を送っていますが、特に退職前後でこの手続きを忘れてミスしたということは現状無いので、失敗談ではありません。
逆に、30代の独身で早期リタイアを目指している方や、自営業の方、すぐに再就職される予定の方には不要な情報もあるかもしれません。その場合は大枠の流れや必要な項目のみ参考にして頂ければと思います。
退職手続きは大枠以下の流れで進めるとスムーズです
・退職前:ライフプラン・退職金・保険整理
・退職直後:健康保険・年金・失業保険
・退職後:確定申告・国民健康保険
本記事ではこの流れを実体験ベースで解説します。
退職前後の手続きについて本記事で不安や迷いを少しでも軽くできればと思います。

私も退職前に先達のブログを読んで手続きの参考にさせて頂きました。
私の記事も手続きの抜け漏れの確認に役立てばと思います。
退職前の準備(ライフプラン・退職金・保険整理)
退職前の準備に関して、今から振り返ってやっておいて良かったなと思える項目を4つ挙げます。
ライフプラン表
- 退職を考えた時に最初に心配になるのが、金銭的な面だと思います。退職しても大丈夫かどうかを試算するのにライフプラン表が大きく役に立ちました。
- 退職の1年くらい前に、妻と併せて家計の資産を計算し、退職金や年金の入って来るステージ毎に収入を予測しました。また、まだ子供の学費が必要な年齢ですので、全体でどれくらいかかるものなのか支出を試算しました。



教育費が大きな負担になります。
- 平均寿命までで支出を計算すると膨大な額になりますので、退職後20年は余裕を持って楽しく過ごし、その後は年金などで支出を減らして過ごす形で計算しました。つまり、20年という期限を区切ったため、ライフプラン上は退職を決断できたということになります。
- ネットの情報ではFIREなどが言われていましたが、私の職場では早期退職してその後も働かないという選択をする方が身近にいませんでしたので情報がありません。ほとんどの方は、定年退職ですしその後も何か仕事を続けられます。
- 退職を公表するとどうしてもいろいろ聞かれたり、不安になるような意見もあったりしますので、ライフプラン表は大きな支えになりました。
- 会社員として毎月の給与収入で生活してきて、一度やめてしまうと同じような水準の給与水準に戻るのは難しい片道切符の決断になりますので、根拠は持っておいた方が迷いにくいです。
- 私の場合は、金銭面に関してはそれがライフプラン表で、退職に向けていろいろアドバイスを頂きましたが、リスクとベネフィットの判断が揺らぐことはありませんでした。抜け漏れのあるような項目のアドバイスがあればありがたくその項目を追加して見直した可能性もあるのですが、当時特に無かったです。
- 私の場合は遺族年金までは試算に入れませんでしたが、より堅実な方はライフプランの補足として入れておいても良いかもしれません。
- 給与収入が無くなり、年金が入るまでの間はこれまでやってきた資産運用を高配当株に振ったポートフォリオに組み替えて、分配金/配当金収入を得ています。
私の退職の決断とライフプラン表についての詳細はこちらにまとめてあります。


*ご参考まで




手続き(退職金・年金・保険整理)
退職の意向を伝えてからは、社内およびやっておいた方が良い手続きが始まります。
- まずは退職金の受け取り手続きです。社内の退職金制度である程度試算はしていましたが、正式な金額が示され、受け取り方法を選択する必要があります。会社により、一時金や年金での受け取り方法があると思いますが、退職控除の枠との中で一番シミュレーションに時間がかかった項目でした。
- 企業型確定拠出年金(企業型DC)に入っている方は、退職控除の枠で使えるのかどうかを試算しておく必要があります。使えない場合はどの年齢から、どの程度の期間で年金(公的年金控除)で受け取るのが良いかライフプラン表にそって予め考えておくのが無難な選択です。早期退職後は少なくとも60歳まではiDeCo(確定拠出年金)に移管される方が多いと思いますが、予め移管する証券会社の商品ラインアップを見て、候補を決めておくと退職後悩まないと思います。



退職金がらみは金額が大きいので、退職手続きと会社の最後の業務で忙しいですが、しっかりシミュレーションしておくことをおすすめします。
私の退職時はまだ一般的で無かったですが、今はAIに簡単に相談できるので当時よりシミュレーションしやすいと思います。
- 私の場合は、会社や労働組合経由で入っていた保険(医療、火災、自動車、年金払い積み立て障害)がありましたので、固定費の削減も兼ねて、この機会に整理しました。自動車保険と火災保険については見直し方法をこちらに纏めています。


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定期的に見直すと同条件で安い商品があり、固定費を年間数万円単位で削減できる可能性があります。
- 健康保険は退職する場合、①配偶者等の被扶養者となりその勤務先の健康保険に加入、②国民健康保険に加入、③退職する企業の任意継続被保険者になるの3つの選択肢があります。私の場合は、①の選択肢がなかったので、できるだけ負担を少なくするためシミュレーションして、③→②の順番で退職後2年かけて対応しました。退職後の支出負担を軽減できる項目で、年単位の対応が必要でしたので、後程まとめて私の対応を記載します。
- 失業保険(雇用保険)は離職票に関する確認書を提出しました。退職後、失業保険を受け取るには近隣のハローワークで基本手当の受給手続きが必要になります。
退職前の手続きの詳細はこちらにまとめてあります。


クレジットカード
- 退職前の方がクレジットカードの審査が通りやすいと言われていましたので、退職前に選定して申し込みました。VISAとMasterの各1枚ずつは持っておいた方が便利です。
- 私の場合は、海外旅行傷害保険の傷害・疾病治療費用の保障の目的にエポスゴールドカード、SBI証券のNISA積み立て枠の目的でOliveフレキシブルペイ ゴールドのVISAを2枚、普段使い用に楽天カード
のMasterで合計3枚持っており、退職後も特に不便を感じていません。
私のクレジットカード選定の詳細はこちらにまとめてあります。


やりたいことリスト
- 退職の目的にもよると思いますが、私の場合は「70代前半までの健康寿命はやりたいことに使いたい」という目的の早期退職でした。働きながらやっている趣味にもっと時間を使いたいという形ではなく、これまで仕事に時間を取られてでできなかったやったことのないことも多かったです。
- 退職してもやることが無くなって時間を持て余すことは無いとは思いましたが、優先順位をつけるためにやりたいことリストを作り、半年ごとに改訂しています。
- 私の知り合いもほぼ同じ時期に早期退職したのですが、やりたいことを退職1年の短期間でやり切ってしまい、その後やることが無くなって時間を持て余し、再就職しました。それも1つのやり方だと思いますが、ある程度継続してできるやりたいことがあった方が、気持ち良く退職生活を送れると思います。
私のやりたいことリストの詳細はこちらにまとめてあります。



やりたいことリストのお蔭で、退屈せずに退職生活を過ごせています!
「ひょっとしてやりたいかもしれない」程度の項目は退職3年経ってやらないことが多いことが分かりました。
退職1年目
退職1年目は退職前に準備した内容の実際の手続きが、次々とやってきます。特に最初の3か月位は事務手続きが多いです。
手続き関連(退職金、健康保険、国民年金、iDeCo、失業保険)
- 退職金は退職後すぐに振り込まれました。
- 任意継続の健康保険証は家族分もまとめて、退職後すぐに届きました。給料から天引きではなく、支払うことになるので痛みを伴います。
- 国民年金の手続きは退職日の翌日から14日以内に市区役所で種別変更が必要とのことでしたので、区役所に年金手帳と退職証明書を持って手続きしました。
- 企業型確定拠出年金は個人型確定拠出年金(iDeCo)に移管するには退職後6か月の期限ですので、商品ラインアップを見てNISA口座も開設しているSBI証券に移管手続きを行いました。
- 雇用保険(失業保険)は、届いた離職票を持って、ハローワークにて手続きを行いました。



退職金や失業保険はありがたいです。
一方、退職1年目は税と社会保険料が重いと聞いていましたが実際支払う段になると痛感します。
退職1年目の手続き関連の詳細はこちらにまとめてあります。


確定申告(外国税額控除)
- 米国株など外国株で投資を行っている方で、企業の任意継続被保険者の方は、外国税額控除の確定申告もおすすめです。
- 米国株の配当は、米国と日本の二重課税となっているため、外国税額控除の申告で国内の所得税還付が可能です。
- 外国税額控除は所得税額から計算されるため、退職前の所得が多かった退職直後が今後の退職後より還付額が大きくなると思われます。また、健康保険も任意継続なら、国民健康保険料の増額にも影響しません。
外国税額控除の確定申告の体験はこちらにまとめてあります。


退職2年目以降
2年目以降は1年目と比べて、手続きはぐっと減ります。私の場合は任意継続の健康保険の国民健康保険への切り替えが大きめの手続きでしたが、他は毎年の確定申告位になると思います。
国民健康保険への切り替え
私の場合退職後、配偶者等の被扶養者となりその勤務先の健康保険に加入する選択肢はありませんでした。そこで、前年の収入が影響する退職1年目は任意継続被保険者になり、収入が減少する退職2年目からは国民健康保険に加入する対応で2年がかりで国民健康保険に加入しました。シミュレーションした結果、給与所得がゼロになった翌年に国保へ移るのが家族分を含めても最安になったからです。
- 会社の健康保険組合に手続き方法を確認し、手続き書類である「健康保険任意継続被保険者資格喪失申請書 」を送付しました。
- 任意継続の健康保険を終了しますので、国民健康保険に加入するため、14日以内に市町村の国民健康保険の窓口まで届出を行いました。
- 年間の納付金額は、昨年の退職1年目の3割以下になっていました。昨年は給与収入が無かったので、扶養家族分を考慮しても国民健康保険の方が、任意継続より安くなると自分で試算していました。よくわからないので幅をもって試算していましたが、一番安い試算にほぼ近く、数十万円節約できました。
国民健康保険への切り替えの詳細は以下にまとめてあります。
「国民健康保険への切り替え ー変更手続きは?ー」「国民健康保険の支払い|節約のため検討すべき対応」







確定申告でも良いですが、国民健康保険料の計算に必要な住民税の申告をお忘れなく!
確定申告
- 確定申告は必須ではありませんでしたが、国民健康保険料の計算には住民税の申告が必要であるため、確定申告を行いました。
- 住民税のみ申告する方法もあるのですが、確定申告を経験してe-Taxの申請は楽でしたので、確定申告で対応することにしました。
- 国民健康保険料を過分に支払わないためには、確定申告でなくても良いので、住民税の申告はおすすめします。
国民健康保険への切り替えの詳細は以下にまとめてあります。
「確定申告 ー退職2年目の対応は必要?定額減税は?ー 」「2026年退職3年目の確定申告|不要でも申告した理由(住民税申告)」




補足
- 国民健康保険の特定健診とがん検診の記事はこちらです。健康保険からの切り替えで健診サービスがどのように変わるのか興味のある方はご参考にされてください。


- 退職手続きの記事一覧を確認したい場合はこちらを確認ください。


退職手続きまとめ
退職手続きは、長期スパンで考える必要がある項目もあるのですが、部分部分の解説が多いです。実体験に即して時系列でまとめました。
多くの当事者にとっては手続きは生涯に1度のことだと思いますが、手続きが分業化されており多岐にわたるため全体像が掴みにくく、その割に相互に連携していることが多いです。
最後に退職手続きチェックリストをまとめておきます。
【退職前】
- ライフプラン表
- 退職金受取方法の決定(企業型確定拠出年金含めて)
- 健康保険の選択
- 保険の見直し
- 失業保険
- クレジットカード作成
- やりたいことリスト
【退職1年目】
- 国民年金の切り替え
- 健康保険手続き
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)対応
- 失業保険手続き
- 確定申告(外国税額控除含む)
【退職2年目以降】
- 国民健康保険へ切替
- 住民税申告 or 確定申告



私も先達の退職された方のブログを参考にさせて頂きました。
お陰様で私も現状無事に退職生活を送れています。
*退職2年目が終わった実感の記事はこちらです。


無事に退職手続きを終えたあとも、「ではその後、どんな生活になるのか?」はなかなか想像しにくいものです。私自身の退職後の生活や、やりたいことの変化は以下のカテゴリーに纏めています。




