
私個人の資産運用に関しては以前の記事で記載した通り、 SBI証券、マネックス証券と楽天証券の3証券会社で行っています。アセットクラスとしては株式(日本、先進国、新興国)、債券(先進国、新興国)、リート(日本、先進国)、金及びコモディティで続けています。
SBI証券ではNISA、楽天証券では特定口座のクレジットカードによる積み立てを行っています。
退職後5年(2029年)を目途に中期のアセットアローケーションの目標を定めています。
- このアセットアローケーションはレイ・ダリオ氏のオールウェザーポートフォリオ(以下、全天候) とゴールデンバタフライポートフォリオ (以下、GB) を参考にして退職後のリスク低減を目的として決めました。
- 退職時からいきなり全天候やGBを目指すには大きな修正が必要になることと、配当金/分配金の出ない金やコモディティへの投資は感情的に抵抗があることから、一旦は5年以内で中期目標を目指して達成した後、再度考えようと思っています。
- 退職後から、目標にむけて高配当以外の株式を売り、債券、コモディティを買って来ており、少しずつではありますが、目標に近づいて来ています。
- 資産運用に関しては幸い順調で、高配当株に関しては2-3年かかると予想していた年間目標配当/分配額は達成しましたので、現在の高配当株ポートフォリオを調整しながら、インフレを上回る配当/分配額を目指していけば良いと考えています。
- 総資産に関しては、現金の減少をリスク資産の増加がカバーし、退職時より増加した状態を維持している状況 です。カン・チュンドさんやRanpaさんが退職後に資産が増えることについて記事を書いておられますので、対応策も考えていっています。

まだ退職2年目で早いかもしれませんが・・・
今回は中期のアセットアローケーション目標を達成した後、全天候とGBを参考にどのアセットクラスに株式を移転すれば効率的にリスク低減ができるか考察してみました。



退職後のアセットアローケーションのリスク低減に興味のある方の参考になればと思います。













以下多くの個人ブロガーさんのブログ記事を参考にさせて頂きました。有難うございます。リンクフリーの記載の無い場合は出典にリンクは張っておりません。
参考アセットアロケーション
参考にしている両ポートフォリオについては、 quanzooさんの「強力なポートフォリオとその作り方 Lazy Portfolio(分散投資の方法)」の記事にパフォーマンスも含めて解説されています。
オールウェザーポートフォリオ(全天候)
- 世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツ創業者のレイダリオ氏によって提唱された 「どんな経済情勢でも安定したリターンを目指す」資産配分戦略です。
- 具体的には、株式 30%、中期米国債(7-10年) 15%、長期米国債(20-25年) 40%、金 7.5%、商品 7.5%の比率で、多様な資産を組み合わせています。
- これは、成長期・後退期・インフレ・デフレの各経済情勢に強い資産に分散投資し、リスクを抑えることでその間安定した収益を目指すものです。
- 米国債券に多めに割いて株式の比率を控えめにすることで変動価格リスクを軽減し、金・コモディティはインフレ対策として機能します。
- 個人ブロガーさんの解説記事
・九条さん「レイ・ダリオのオールウェザーポートフォリオを検討する」「レイ・ダリオのオールウェザーPFはコロナショックを乗り切ったか? 」
・たぱぞうさん「レイ・ダリオ氏のオールウェザー投資と長期米国債」



10年以上全天候で運用した実績記事は私には見つけられませんでした。
ゴールデンバタフライポートフォリオ (GB)
- Portfolio ChartsのTyler氏によって設計された投資戦略で、全天候同様どんな経済情勢でも安定したリターンを目指しています。
- 具体的には、米国大型株20%、米国小型バリュー株 20%、長期米国債 20%、短期米国債 20%、金 20%比率で多様な資産を組み合わせています。
- 特に小型バリュー株を組み入れている点が特徴で、長期的に市場平均を超える可能性があります。
- 債券は長期と短期にすることで価格変動を緩和し、全体のポートフォリオの安定性を高めています。 マイナスの年が続きにくく、中期的に安定した運用が期待でき、オールウェザーポートフォリオより高い収益率が認められています。
- 個人ブロガーさんの解説記事
・ディーカサワさん 「【新NISA】こんなバランスファンドが低コストであったら良いな:究極の高シャープレシオ、ゴールデンバタフライ」
・遠藤ティムさん「ゴールデンバタフライポートフォリオのメリット・デメリット」
・pucchix3さん「ポートフォリオ解説【ゴールデンバタフライ】黄金蝶でパフォーマンスを輝かせる」
・株するDeCさん「【17】オールウェザーより簡単且つ強いゴールデンバタフライポートフォリオ」



こちらも10年以上全天候で運用した実績記事は私には見つけられませんでした。
中期目標からのシミュレーション
以下の表が、中期目標と2025.08時点の割合です(参考に、全天候とGBも載せております)。





まずは退職後5年(2029年)を目途に中期目標を目指しています。
中期目標から日本株3%、先進国株3%の6%を減らし(株式は44%)、その6%を別のアセットクラスに追加して、myINDEX に入力して過去20年の平均リターン、リスク、シャープレシオを求めます。それと同時に5回の過去の大暴落時のリターンも求めました(出典はmyINDEXです)。
- 先進国債券に6%を加えた場合の例を示します。




- リターンは0.4%減少しますが、リスクも0.6%減少し、投資効率の指標のシャープレシオは変化しません。












- 過去の5回の大暴落のリターンの減少は中期目標より先進国債券に6%を加えた場合の方が良いです。GB(グラフではGoBt)と全天候は更に良いです。
- 同様の検討を日本リート、先進国リート、金、コモディティについて行い、まとめたのが以下の表になります。


- 中期目標よりリターンは上昇し、リスクは減少し、シャープレシオが上昇すると良い(赤字)のですが、金に6%加えると期待通りになります。リターンは全天候とGBに劣りますが、リスクは10%を切り全天候とGBよりも低下します。シャープレシオもGBより劣りますが、全天候に勝ります。
- リートやコモディティに6%を加えてもリスクは多少下がりますが、リターンとシャープレシオの数値は良くなりません。先進国債券はリスクが低下し、過去の大暴落時のリターン低下がマイルドになる効果はあるようです。
- 全てバックテストのシミュレーションで将来を予想するものではありませんので、正確にこの数値にする必要は無いと思いますが、大まかな方向性はわかると思います。




- 過去20年の相関係数を確認すると、日本、米国、先進国株と最も相関が低いのは日本円の現金と日本債券の次は金ですので、金を増やすとリスクが下がるのは合理的です。直近過去5年だと日本株と金の相関が更に低くなっています。



まずは中期目標を目指しますが、次の方向性を考えると金は10%位までなら増えても急いでリバランスで売る必要は無さそうです。
個人投資家さんのアセットアロケーション
私が現状参考にしているのは全天候とGBですが、よく読ませて頂いているブロガーさんでアセットアロケーションを記事にしておられる方について、わかる範囲で調べてみました。



私は日本円の現金も入れる派ですが、公表されているものには含まれていない方もおられます。日本円が含まれていない方は実際のリスクは日本円の分下がると思います。
- 個人ブロガーさんのアセットアロケーション出典
・NightWalkerさん「2025/1末のポートフォリオ」
⇒株式と債券+現金が半々のカウチポテトポートフォリオです。全世界株式は先進国株式として計算しました。
・梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーさん「ストレスフリーで投資効率も高い。インデックス投資の資産配分とリバランスの考え方」
⇒外国債券は先進国債券として計算しました。企業さんの記事なのでリンクを貼らせて頂きました。
・虫とり小僧さん「夏にあった乱高下なんて忘れかけてた…2024年末のアセットアロケーションとポートフォリオ(と今年下半期の投資と考察)」
⇒海外リートは先進国リートとして計算しました。
・カン・チュンドさん「著名投資家のポートフォリオ公開!平均年利は6~7%」
⇒ブログの方では見つけられませんでした。2017年で古いので変更されているコアもしれません。企業さんの記事なのでリンクを貼らせて頂きました。 - 先ほど同様myINDEX に入力して過去20年の平均リターン、リスク、シャープレシオを求めたのが以下の表になります。





人によってアセットアロケーションは大きく異なりますね!
ランダム・ウォーカーさんのリスクとリターンは用いた計算数値が異なるのか出典の記事とはずれていますね。
- NightWalkerさんの株式と債券+現金が半々のカウチポテトポートフォリオがリスクとシャープレシオが私の中期目標より良いですね。株式と相関が低い日本債券を十分組み込んでいるのが大きく影響していると思われます。
- 全天候やGBを目指さず、カウチポテトで管理するのも3つのシンプルなアセットなのでリバランスもシンプルです。
- 個人向け国債など日本債券も利回りは上がってきていますが、私はまだ購入する気は起きず、預貯金で現金扱いで対応しています。
- 私の場合、全天候を参考にしてきたためアセットアロケーションが複雑になっています。



日本債券よりも利回りの高い海外債券に目移りがしてしまいます・・・
まとめ
中期目標以降の方向性を全天候とGBを参考にして、シミュレーションすることで戦略が見えてきました。中期目標を目指しながら柔軟に対応したいと思います。
- 先進国債券に関しては、まずは中期目標を目指してこれまで通り対応するが、中期目標を多少超えてもリバランスは不要(リスクを下げる効果はある)。
- リートは先進国も日本も中期目標以上に増やす必要は無い。超えた場合は積極的にリバランス。
- 金は4%前後の中期目標を維持しているが、10%位までなら増えても急いでリバランスで売る必要は無く値段が下がったら積極的に買っても良い(リターン、リスク、シャープレイシオ全て改善する)。
- コモディティは中期目標以上に増やす必要は無い。



以上4点が今回の検討結果の結論です!